WordPressサイトを静的に出力してGitHub Pagesを作る

セキュリティが心配されるWordPress

 前にいた会社でキャラクター商品宣伝用のスペシャルサイトを作ることになりました。独自CMSを使っておりセキュリティ上の理由で制作会社さんからのCMS接続が難しかったため、系列会社のホスティングでサブドメインを作ることにしました。

 運営もコンテンツ修正が出来るようにしたかった(ベタHTMLで作ると都度制作会社さんに修正料金を払う必要がある)のでWordPressの導入を検討。しかし情シス担当者に「WordPressはセキュリティが弱いから止めてくれ」と言われ、制作会社さんにも「ベタHTMLにしてくれ(ないと面倒だし儲からない)」と言われ泣く泣くベタHTMLにしました。

WordPressのセキュリティが弱いのは動的CMSだから

  WordPressのセキュリティが多方面から懸念されてしまうのは、PHPという動的なサイト生成基盤を使っていることと単に「有名だから狙われやすい」のが理由です。「狙われたくないから情シスが勧めるマイナーなCMSを選ぶ」のは消極的であって根本的な問題解決になっていません。

 WordPressで作成した動的サイトを静的サイト(HTML+CSS+JavaScript)に変換して公開すれば、サイトが動的に生成されることによるセキュリティの問題を回避出来ます。

無料のGitHub Pagesで試してみる

 当サイトを無料のGitHub Pagesに静的サイトとしてミラーしてみましたので、やり方をメモとして残します。

https://masaru-kmt.github.io/

 もちろん、WordPressで静的サイトを作成したからといって大元のWordPressが安全になったわけではありません。セキュリティ上の観点からは、先にご紹介したLocalなど非公開のWordPressでサイトを作成し、GitHub Pagesなど公開環境に静的サイトをコミットするのが適切です。

 まず、GitHubでサイト名のレポジトリを作成します。

GitHubでGitHub Pages用のレポジトリを作成する

 次に、GitHubをまだ本格的に使っていない人はGitHub Desktopをダウンロードします(Windows/Mac)。私はUbuntuにはGitを入れていますが、Webサイトでは一度にたくさんのファイルをコミットするので今回はWindowsで試してみました。

GitHub DesktopならCLIが苦手な初心者でも安心()

WordPressから静的サイトを生成する『Simply Static』

Simply Staticは2か月前に更新されており無償なので安心

 WordPressから静的サイトを生成するプラグインは複数ありますが、検索上位のSEOサイト()で紹介されているプラグインは数年間更新が無かったり有料化されてしまったダメダメなものばかりです。結局WordPress内で検索して見つけた『Simply Static』を使うことにしました。

 Simple Staticの設定はパブリッシュ先のドメイン名くらいで簡単です。HTML化したサイトデータをzipファイルとしてダウンロードし、解凍してGitHub Desktopのレポジトリにドラッグ&ドロップし、GitHubにコミットします。

しばらく待たないと404 Not Foundのまま……

 コミットしましたがページが表示されません。「なぜ?」と焦って検索したところ、GibHubにコミットしたHTMLがWebページとして反映されるまでに時間がかかるのが理由、のようです。

HTMLを表示するには、1つずつGitHub上でコミットし直すか数10分待つ必要がある

 即時に更新を反映したいサイトには、GitHub Pagesは向かないようです。とは言え、無償でサイトを公開出来る(独自ドメインもOK)のは魅力的です。「少なくともGit (Hub)の存在くらいは知っている」という証明にはなるので検討の余地はあると思います。

 ちなみに、コンタクトフォームやコメントなどWordPressの動的な機能はミラー先の静的サイトでは無効になります。静的サイトにする際は「コンタクトフォームだけ他サイトのサービスを利用する」といった対策が必要となります。

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