Ubuntu Linux 24.04 LTSが出て1ヶ月が経ったので

Ubuntu Linux 22.04 LTS

長らくブログを更新していなかった件

引っ越しが終わり落ち着いたのも束の間、世の中は激変の時代に突入しました。インフレと円安による物価高で生活が苦しくなり、電気代の高騰でサーバー遊びも難しくなりました。生成AIの台頭アフィブログなんか読むよりAIに聞いた方がマシな時代になり、ブログ更新の意義が問われるようになりました。

そしてオープンデータ界隈もコロナ渦中の気前の良さはどこへやら、AIによる学習への恐れか有意義なデータがどんどんネットから消えていき、データベース構築へのモチベーションも失われていきました。サーバーを並べて分散データベースを構築しても入れるデータがないという状況になってしまいました。

生成AIブームでIT分野の関心事ももっぱらGPUの活用が中心となりました。ローカルではせいぜいVRAM16GB前後しか積めないためクラウドでやらないとAIが賢くない状況となり、IT大手がGPU性能の殴り合いでAIの開発競争を続けるなか個人の居場所は失われていきました。

このような流れの中で、組織から離れた自分に何が出来るか分からない状況が今日まで続いています。

淡々とアップデートを続けるUbuntu、4月末ギリギリで24.04 LTSをリリース

Canonicalはセキュリティ関連の修正で半月リリースが遅れたものの、4月中に無事Ubuntu Linux 24.04 LTSを公開しました。Linuxがインストールゲームだった時代はとうの昔に終わり、枯れたPCでは22.04時代のノウハウそのままでトラブルもなく24.04を導入できています。うーん、書くことがない。

一方、面白みはないもののUbuntuを取り巻く環境は良くなっています。Windows 11に非対応とされサポート打ち切りが近づくIntel Core i 7xxx(第七世代)以前の中古ノートPCはフルHDモデルですら1万円台でゴミのように叩き売られ、Core i8xxx(第八世代)以降のPCも軒並み値崩れしました。自慢みたいになるので詳しくは書きませんが、私はWindows11が動くフルHD/NVMe SSDのノートPCを2万円台で入手したり、最新に近いCore i7-11700搭載のミニタワーを5万円台で入手したりしています。

新しめの中古PCが値崩れしている裏の理由に、「ぶっちゃけスマホの方が速くて便利」というものもありそうです。私が最近買ったでかいタワー型PCですら、せいぜい手元のスマホの2〜3倍の処理能力しかないのです。中高年のパソコンおじさんが新しいPCを手にした謎の高揚感、万能感も木っ端微塵です。おそらくiPhoneをお持ちの方なら、お手元のPCのCPU処理能力はiPhoneより遅いか大差ないはずです。ぜひ一度比べてみてください。

OSの話に戻りましょう。より使いにくく押し付けがましくなったWindows11を使いたくない一心でWindows10を使い続ける人にアップデートバグが襲ってきました。KB5034441の0x80070643エラーKB5034441が0x80070643エラーでインストールできない問題などを見ると、皆さん苦労されていることが伝わってきます。私も未だにアップデートが止まりっぱなしのWindows機があり、こんなに苦労するならもうUbuntu Linuxでいいじゃんとの思いを新たにしています。

KB5034441の0x80070643エラーやKB5034441が0x80070643エラーでインストールできない問題

物価高で飯を食うのもやっとの中で高いお金を払ってWindows PCを買い換えるくらいなら、どんどんUbuntuに入れ替えて余ったお金で食べ物を買いましょう。それが出来るだけの知識があるのは幸せなことです。

でもAlmaLinuxも入れてみた

Linux初心者の方が私のブログにたどり着くことは少ないと思いますが、Linuxサーバー管理を仕事にしたい方にUbuntuが向いているかというと、微妙な点があります。日本では業務用のLinuxサーバーOSとして長らくRedHat Enterprise Linux(RHEL)が使われており、Linux関連の資格もRHELが前提になっています。AWSなどのクラウドではUbuntuサーバーも選べますが、クラウドベンダーの自社OSはRHELクローン(RHELと互換性があるOS)であることが多いです。

個人的にはUbuntuのとっつきやすさが気に入っているのですが、パッケージ管理などのコマンド体系がRHELとはだいぶ異なっているので、資格の勉強をしたい方はRHELクローンのAlmaLinuxを学習用に利用した方が良いでしょう。私も某団体の勉強会で推奨されていたことをきっかけに、AlmaLinuxのノートPCを1台確保しました。

なお、Google周辺などAI界隈では業務用でもUbuntuがけっこう使われているので、サーバー管理者を目指しているわけではない方はUbuntuメインでも全く問題がないと思います。

今後のプラン「Ubuntu Linux 22.04 LTS構築手順書」

夢の無い時代ではありますが、中高年が何もやっていないと認知症が進行しますのでプランだけでも考えてみました。

これまではサーバーの台数が少なかったので、特に手順書もなしに過去の経験をもとに適当にサーバー構築していました。しかしサーバーの台数が増えてきたこと、クライアント用でもUbuntuを本格的に使うようになったことをきっかけに、自分用のUbuntuサーバー/構築手順書を作り始めています。

自宅で(あまりセキュリティとかを気にせずに)使い勝手が良い環境を構築する観点から、下記のような項目をブログに上げたいと思っています。

  • BIOS(UEFI)の更新とUbuntuのインストール
  • ハードウェア情報の取得、管理
  • Ubuntuの基本的な設定とアプリのインストール
  • Windows機との連携(samba、xrdp)
  • サーバー監視(温度、システム負荷など)
  • 出先からのサーバー接続VPN(tailscale)
  • RDBデータベースの構築(PostgreSQL、Citus)

生成AI関連の学習も進めたいのですが、敢えてローカルで挑戦する価値のあるものが現状ではStable Diffusionくらいしかないので、少しずつ進めようと思います。先に書いたタワー型PCはGPU利用のために(邪魔だけど仕方なく)購入したもので、GeForce RTX 4060 Ti 16GBのGPUも入手済ではあります。

EliteDesk 800 G8 TWR/CT
GV-N406TWF2OC-16GD

また、Claude3やChatGPTなど生成AIの助けを借りてPythonの簡単なコードを書いてGoogle Colabで実行する、といった少し先進的な(?)試みにも挑戦したいと思います。作成するコード自体は生成AI関連ではなく、ブログには敢えて書かないようにしている株式投資に関連した情報収集がテーマになると思います。

Ubuntu 22.04 LTSを本当にデスクトップとして使う〜NVIDIA GPU設定【2022年5月版】

Ubuntu、デスクトップとしても使ってます。本当に💦

Ubuntu 22.04 LTS デスクトップ版を自宅PCクラスタで使う話を連載しています。Linux使いの方でも「でも、端末はWindowsだよね?」「IT業界でスタバでドヤるならMBP(MacBookPro)だよね?」とお考えの方は多いです。本気でLinuxを普段使い出来ると思っている日本人は、未だに意外と少ないのが実態です。

MBPドヤリングはともかくとして、Excelのフル機能が使えない等の理由でWindowsを手放せないのは事実です。しかしGoogle Chromeの肥大化進化でオフィス機能のほとんどがGoogleスプレッドシートなどのWebアプリで賄えるようになった今では、本当にWindowsでなければ困る局面は非常に少ないと感じています。

私は無職になって久しい今でも気持ちだけはWeb担の端くれなので、基礎的なリテラシー維持の為にWindowsのほかMacBookPro、Chromebook、iPhone、iPad、Androidスマホ/タブレットなど一般的に使われているOSの端末は全て個人所有しています。その上で申し上げると、「モバイル用途のPCはUbuntu Linuxでほとんど困らない」との認識です。

Windows11ではインテルCore i 第7世代以前のCPUはサポート外となりました(7820HQなど例外あり)。結果、以前の中古PCやリース落ちPCが値崩れし、とてもお買い得になっています。一昨年は5万円を滅多に切らなかったフルHD&SSDノートも今では5万円を切るものがチラホラ出てきました。端末として割り切るなら個人的なイチオシは『ELITEBOOK Folio G1』です。このようなお古のノートにUbuntuを入れて再生させるわけです。

お古の👍ノートをUbuntuで再生。SSD&フルHDなら今でも快適👍

さらにディープラーニングなどの機械学習フレームワークLinuxベースで作られたものが多く、特に「CLIに慣れた方はWindowsよりLinuxの方が便利」ということも実は多いのです。

Ubuntuでディープラーニング。鬼門はGPUドライバ

とは言え、UbuntuがWindowsに及ばない点はあります。それがドライバーのインストール。周辺機器ベンダーがWindows第一でドライバーを開発しているので、Linuxでの対応は遅れがちです。特にGPUのドライバコケると画面表示出来なくなるので、LinuxでGPUを使い倒したい人の最初の鬼門となります。

そこで今回はお手軽GPUであるNVIDIA GeForce GTX 1650を搭載したゲーミングノートPC『ASUS TUF Gaming A15 FA506IH FA506IH-R5G1650AS』(AMD Ryzen5 4600H/8GB⇒32GB・SSD 512GB⇒512GB+2TB/1,920×1,080ドット (フルHD) (144Hz)/15.6インチ/フォートレス・グレイ)にUbuntu 22.04 LTSを入れた上でGPUドライバのインストールに挑戦しました。

GeForce GTX 1650搭載のゲーミングノートPC。ゲームには物足りないがディープラーニングのサンプルコードを動かす程度なら十分なGPU性能

UbuntuがGPUの存在を認識しているかどうかを確認

$ ubuntu-drivers devices
== /sys/devices/pci0000:00/0000:00:08.1/0000:05:00.3/usb1/1-2/1-2:1.0 ==
modalias : usb:v0BDAp8812d0000dc00dsc00dp00icFFiscFFipFFin00
vendor   : Realtek Semiconductor Corp.
model    : RTL8812AU 802.11a/b/g/n/ac 2T2R DB WLAN Adapter
driver   : rtl8812au-dkms - distro free

== /sys/devices/pci0000:00/0000:00:01.1/0000:01:00.0 ==
modalias : pci:v000010DEd00001F99sv00001043sd000018BFbc03sc00i00
vendor   : NVIDIA Corporation
model    : TU117M
driver   : nvidia-driver-450-server - distro non-free
driver   : nvidia-driver-510 - distro non-free recommended
driver   : nvidia-driver-470-server - distro non-free
driver   : nvidia-driver-470 - distro non-free
driver   : nvidia-driver-510-server - distro non-free
driver   : xserver-xorg-video-nouveau - distro free builtin

上記のコマンドで表示された「vendor : NVIDIA Corporation model : TU117M」がGTX 1650です。ドライバは「driver : nvidia-driver-510 – distro non-free recommended」とオススメ表示が出ているので、これを入れてみます。

$ sudo apt install nvidia-driver-510
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了        
状態情報を読み取っています... 完了        
以下の追加パッケージがインストールされます:
……

インストールは10分ほどで終わるので、再起動します。

$ nvidia-smi
Thu May 12 18:47:13 2022       
+-----------------------------------------------------------------------------+
| NVIDIA-SMI 510.60.02    Driver Version: 510.60.02    CUDA Version: 11.6     |
|-------------------------------+----------------------+----------------------+
| GPU  Name        Persistence-M| Bus-Id        Disp.A | Volatile Uncorr. ECC |
| Fan  Temp  Perf  Pwr:Usage/Cap|         Memory-Usage | GPU-Util  Compute M. |
|                               |                      |               MIG M. |
|===============================+======================+======================|
|   0  NVIDIA GeForce ...  Off  | 00000000:01:00.0 Off |                  N/A |
| N/A   45C    P8     6W /  N/A |      8MiB /  4096MiB |      0%      Default |
|                               |                      |                  N/A |
+-------------------------------+----------------------+----------------------+
                                                                               
+-----------------------------------------------------------------------------+
| Processes:                                                                  |
|  GPU   GI   CI        PID   Type   Process name                  GPU Memory |
|        ID   ID                                                   Usage      |
|=============================================================================|
|    0   N/A  N/A      1750      G   /usr/lib/xorg/Xorg                  4MiB |
+-----------------------------------------------------------------------------+

「Driver Version: 510.60.02 CUDA Version: 11.6」と表示されており、ディープラーニングで使うCUDAも無事入っていることが確認出来ました。

TensorflowでGPUの動作確認

とは言え、実際にGPUを使ってみないと正しく動いているのか分かりません。というわけで、機械学習系のフレームワークであるAnacondaをインストールして使ってみます。

$bash ./Anaconda3-2022.05-Linux-x86_64.sh
$conda update -n base conda
$conda update anaconda
$conda update -y --all
$conda install tensorflow-gpu==2.4.1

動作確認用のコードを実行してみます。

$ python
Python 3.9.12 (main, Apr  5 2022, 06:56:58) 
[GCC 7.5.0] :: Anaconda, Inc. on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> from tensorflow.python.client import device_lib
2022-05-12 18:53:47.784386: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcudart.so.10.1
>>> device_lib.list_local_devices()
2022-05-12 18:53:51.799093: I tensorflow/core/platform/cpu_feature_guard.cc:142] This TensorFlow binary is optimized with oneAPI Deep Neural Network Library (oneDNN) to use the following CPU instructions in performance-critical operations:  SSE4.1 SSE4.2 AVX AVX2 FMA
To enable them in other operations, rebuild TensorFlow with the appropriate compiler flags.
2022-05-12 18:53:51.802081: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcuda.so.1
2022-05-12 18:53:51.831519: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:51.832063: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1720] Found device 0 with properties: 
pciBusID: 0000:01:00.0 name: NVIDIA GeForce GTX 1650 computeCapability: 7.5
coreClock: 1.515GHz coreCount: 14 deviceMemorySize: 3.82GiB deviceMemoryBandwidth: 178.84GiB/s
2022-05-12 18:53:51.832111: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcudart.so.10.1
2022-05-12 18:53:51.849984: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcublas.so.10
2022-05-12 18:53:51.850051: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcublasLt.so.10
2022-05-12 18:53:51.860952: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcufft.so.10
2022-05-12 18:53:51.864006: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcurand.so.10
2022-05-12 18:53:51.882123: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcusolver.so.10
2022-05-12 18:53:51.885419: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcusparse.so.10
2022-05-12 18:53:51.918256: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcudnn.so.7
2022-05-12 18:53:51.918459: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:51.918860: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:51.919152: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1862] Adding visible gpu devices: 0
2022-05-12 18:53:51.919358: I tensorflow/stream_executor/platform/default/dso_loader.cc:49] Successfully opened dynamic library libcudart.so.10.1
2022-05-12 18:53:52.570930: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1261] Device interconnect StreamExecutor with strength 1 edge matrix:
2022-05-12 18:53:52.570970: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1267]      0 
2022-05-12 18:53:52.570977: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1280] 0:   N 
2022-05-12 18:53:52.571411: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:52.571620: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:52.571762: I tensorflow/stream_executor/cuda/cuda_gpu_executor.cc:941] successful NUMA node read from SysFS had negative value (-1), but there must be at least one NUMA node, so returning NUMA node zero
2022-05-12 18:53:52.571880: I tensorflow/core/common_runtime/gpu/gpu_device.cc:1406] Created TensorFlow device (/device:GPU:0 with 3410 MB memory) -> physical GPU (device: 0, name: NVIDIA GeForce GTX 1650, pci bus id: 0000:01:00.0, compute capability: 7.5)
2022-05-12 18:53:52.573073: I tensorflow/compiler/jit/xla_gpu_device.cc:99] Not creating XLA devices, tf_xla_enable_xla_devices not set
[name: "/device:CPU:0"
device_type: "CPU"
memory_limit: 268435456
locality {
}
incarnation: 14858614513891176676
, name: "/device:GPU:0"
device_type: "GPU"
memory_limit: 3575906304
locality {
  bus_id: 1
  links {
  }
}
incarnation: 13770775266605951589
physical_device_desc: "device: 0, name: NVIDIA GeForce GTX 1650, pci bus id: 0000:01:00.0, compute capability: 7.5"
]

無事「pciBusID: 0000:01:00.0 name: NVIDIA GeForce GTX 1650 computeCapability: 7.5
coreClock: 1.515GHz coreCount: 14 deviceMemorySize: 3.82GiB deviceMemoryBandwidth: 178.84GiB/s」と表示されており、tensorflowからGPUが認識出来ていることが分かりました。

ついでにPytorchも

最近社名が変わったり株価がごにょごにょしたり何かとお騒がせなMeta Platforms社(旧称Facebook)のPyTorchも、ついでに入れてみます。

公式サイトに行くとコマンドを教えてくれるので、そのとおりに入力します。

さいきん流行りのWebでポチポチするとコマンドが出るやつ
$conda install pytorch torchvision torchaudio cudatoolkit=11.3 -c pytorch

condaのインストールは依存関係の処理で時間がかかりますが、10分くらいで完了すると思います。

ディープラーニング超入門的な記事は食傷気味なので、Jupyter Notebookなどを使ったディープラーニングのお試しは後日、気が向いたら挑戦しようと思います。

Ubuntu 21.04使用開始(1日目)

Ryzen+NVIDIAのノートが欲しい。データベースと機械学習の全部入りラーメンだ

 前々から、図書館などでもガッツリ使い倒せるLinuxノートが欲しいと思っていました。具体的には、PostgreSQLがselect文で4スレッドくらい並列処理してくれて、TensorFlow/KerasでGPU SUGEEEE出来る程度のスペックです。

 Amazonの年末セールで『ASUS ゲーミングノートパソコン TUF Gaming A15 FA506IH (AMD Ryzen5 4600H/8GB・SSD 512GB/GTX 1650/1,920×1,080ドット (フルHD) (144Hz)/15.6インチ/フォートレス・グレイ)』が¥82,800と安かったので衝動買い。メモリは即32GBに増設しました。

「AMDが7nmで作ったワットパフォーマンスが良いRenoirが載ったノートにディープラーニングで使えるGTX 1650が付いて8万ちょい。買うしかない……」

 4600Hは6コア12スレッドのノートPC向けCPUで、AMD Renoirシリーズの廉価版です。『最強』ではありませんが、実売10万円以下のノートでこの性能は魅力的です。SSDは内蔵で別途2TBくらい欲しいですが、金欠なので追い詰まってから考えることにします。

AMD Ryzen 5 4600Hは7nm世代の廉価版モバイルCPU

 なお現在の最新モデルは「Ryzen PRO 5000シリーズ モバイル プロセッサ(5850U/5650U/5450U)」、及び「Ryzen 5000シリーズ モバイル プロセッサ(5800U/5700U/5600U/5500U/5400U/5300U)」で7nm世代のままです。5nmのZen4世代は2022年に登場予定です。

ゲーミングPCへのUbuntu 21.04のインストール

 Ubuntuのインストールが終わると、沢山の有名で楽しそうなアプリをリコメンドされます。「SSDの残りが300GBくらいしかないのに片っ端から入れちゃダメダ」と思いつつも入れられるうちはつい入れてしまいます。

日本語フォルダ名を英語化

 lsなどでパス指定するときにフォルダ名が日本語だとIMEの切り替えや入力が面倒なので、英語に変えてしまいます。

masaru@ASUS-TUF-Gaming:~$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

導入直後に入れたアプリ

 初心者でも導入に困らなさそうなものは名前だけ……。

NVIDIA driver metapackageNVIDIA独自のグラフィックドライバ。『ソフトウェアとアップデート』 – 『追加のドライバー』でプロプライエタリ版を指定してインストールする必要がある
Ubuntu Live Patchパッケージの自動更新サービス。実際は手動でapt updateを続けることが多いですが、念のため導入
Shutter画面キャプチャソフト。不具合のため現在使用できず
Krita定番の画像ソフト。Shutterが使えなかったので最優先で導入。個人的にも好きなソフト
Google Chrome, ChromiumWebブラウザ。SSOの誘惑と逃げたい気持ちでサンドイッチに
dbeaver-ceJDBCの汎用データベースクライアント
Anaconda言わずと知れたPython機械学習系のフレームワーク。PATHを汚染するので好きではないのですが、楽なので結局入れてしまいます
jupyter-notebookAnacondaに同梱のPython実行環境
Visual Studio Codeプログラム開発環境のデファクトスタンダード。Pythonなどのインタプリタを配下に置いてしまうAnacondaとの共存が課題
RAnacondaのパッケージとしてcondaでインストール
RStudioRの開発環境。PATHの問題を避けるためAnacondaからインストール
tracerouteサーバーまでのネットワーク経路を確認するツール
OpenJDK 11各種データベース用のJava開発環境

NDIVIAドライバの基本設定

 Ubuntu 21.04は、素の状態でNVIDIAの独自ドライバを使ってくれません。チューニングの観点から独自ドライバを入れるのが良さそうです。

masaru@ASUS-TUF-Gaming:~$ lspci | grep -i nvidia
01:00.0 VGA compatible controller: NVIDIA Corporation TU117M (rev ff)
01:00.1 Audio device: NVIDIA Corporation Device 10fa (rev ff)

 続いて、aptのレポジトリに最新のドライバが降ってくるように設定します。

masaru@ASUS-TUF-Gaming:~$ sudo add-apt-repository -y -n ppa:graphics-drivers/ppaPPA publishes dbgsym, you may need to include 'main/debug' component
Repository: 'deb http://ppa.launchpad.net/graphics-drivers/ppa/ubuntu/ hirsute main'
Description:
Fresh drivers from upstream, currently shipping Nvidia.

## Current Status

Current long-lived branch release: `nvidia-430` (430.40)
Dropped support for Fermi series (https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/4656)

Old long-lived branch release: `nvidia-390` (390.129)

For GF1xx GPUs use `nvidia-390` (390.129)
For G8x, G9x and GT2xx GPUs use `nvidia-340` (340.107)
For NV4x and G7x GPUs use `nvidia-304` (304.137) End-Of-Life!

Support timeframes for Unix legacy GPU releases:
https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/3142

## What we're working on right now:

- Normal driver updates
- Help Wanted: Mesa Updates for Intel/AMD users, ping us if you want to help do this work, we're shorthanded.

## WARNINGS:

This PPA is currently in testing, you should be experienced with packaging before you dive in here:

Volunteers welcome!

### How you can help:

## Install PTS and benchmark your gear:

    sudo apt-get install phoronix-test-suite

Run the benchmark:

    phoronix-test-suite default-benchmark openarena xonotic tesseract gputest unigine-valley

and then say yes when it asks you to submit your results to openbechmarking.org. Then grab a cup of coffee, it takes a bit for the benchmarks to run. Depending on the version of Ubuntu you're using it might preferable for you to grabs PTS from upstream directly: http://www.phoronix-test-suite.com/?k=downloads

## Share your results with the community:

Post a link to your results (or any other feedback to): https://launchpad.net/~graphics-drivers-testers

Remember to rerun and resubmit the benchmarks after driver upgrades, this will allow us to gather a bunch of data on performance that we can share with everybody.

If you run into old documentation referring to other PPAs, you can help us by consolidating references to this PPA.

If someone wants to go ahead and start prototyping on `software-properties-gtk` on what the GUI should look like, please start hacking!

## Help us Help You!

We use the donation funds to get the developers hardware to test and upload these drivers, please consider donating to the "community" slider on the donation page if you're loving this PPA:

http://www.ubuntu.com/download/desktop/contribute
More info: https://launchpad.net/~graphics-drivers/+archive/ubuntu/ppa
Adding repository.
Adding deb entry to /etc/apt/sources.list.d/graphics-drivers-ubuntu-ppa-hirsute.list
Adding disabled deb-src entry to /etc/apt/sources.list.d/graphics-drivers-ubuntu-ppa-hirsute.list
Adding key to /etc/apt/trusted.gpg.d/graphics-drivers-ubuntu-ppa.gpg with fingerprint 2388FF3BE10A76F638F80723FCAE110B1118213C

Linux版のAnacondaはシェルから導入

 Anacondaはパスなど各種設定をOSから乗っ取る『お行儀が悪いフレームワーク』なためか、Ubuntuでもストアアプリには入っていません。シェルスクリプトを落としてbashで実行します。

masaru@ASUS-TUF-Gaming:~/Downloads$ bash ./Anaconda3-2020.11-Linux-x86_64.sh 

Welcome to Anaconda3 2020.11

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agreement.
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...
masaru@ASUS-TUF-Gaming:~/anaconda3/bin$ ./conda init
no change     /home/masaru/anaconda3/condabin/conda
no change     /home/masaru/anaconda3/bin/conda
no change     /home/masaru/anaconda3/bin/conda-env
no change     /home/masaru/anaconda3/bin/activate
no change     /home/masaru/anaconda3/bin/deactivate
no change     /home/masaru/anaconda3/etc/profile.d/conda.sh
no change     /home/masaru/anaconda3/etc/fish/conf.d/conda.fish
no change     /home/masaru/anaconda3/shell/condabin/Conda.psm1
no change     /home/masaru/anaconda3/shell/condabin/conda-hook.ps1
no change     /home/masaru/anaconda3/lib/python3.8/site-packages/xontrib/conda.xsh
no change     /home/masaru/anaconda3/etc/profile.d/conda.csh
modified      /home/masaru/.bashrc
(base) masaru@ASUS-TUF-Gaming:~$ conda update --all
Collecting package metadata (current_repodata.json): done
Solving environment: done

## Package Plan ##

  environment location: /home/masaru/anaconda3


The following packages will be downloaded:

    package                    |            build
    ---------------------------|-----------------
    _anaconda_depends-2020.07  |           py38_0           6 KB
...

Anacondaの功罪

 今回インストールしたAnacondaは2020年7月版。主な開発ツールのPATHを乗っ取る仕様であることを考えると半年以上放置されているのは少し疑念を感じます。もちろんconda updateはかけるのですが……。

 最新版をいち早く使いたい方はAnaconda無しのアカウントを作るか、仮想環境で運用することになりそうです。

(base) masaru@ASUS-TUF-Gaming:~$ python --version
Python 3.8.8